目の前に立つ男の表情から読み取れるものはなにもなかった。
故に仕方なく、今しがた告げられた言葉を、ただ何度も何度も頭の中で繰り返した。



すきだ。すきだ、すきだ、すきだ。





だれが?(この男が)なにを?(わたしを)

このおとこが、わたしのことをすきだ、と。この男がわたしのことを好きだ、と。言っているのだ。
たった三文字の言葉に込められた真意。
たとえばその想いは、わたしがパピーに向けるようなものでも、姉御に向けるようなものでも、新八に向けるようなものでも、定春に向けるようなものでもなかったのだ。だから、ついに本当の意味を理解した瞬間、鼓動は逸るように打ち出した。
居心地の悪さに泳がせた視線はぶつかり、逸らして、そして重なり合った。吸い込まれそうな瞳に見据えられると、いよいよ鼓動が逸り指先が小さく震え出すのがわかった。

逃げ出したい、今すぐにここから。




(なにを言えばいいのなにを伝えればいいの)

(だってわたしがだいすきなひとは、)(誰よりもたいせつなひとは、)



(ねえ、だけどそれなら如何していま、頷いてしまいたいだなんておもっているのだろう)



(わたしの気持ちはいまどこにあるの)









      人魚の










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銀さんをすきだと思っていたのに、沖田にすきって言われたことでその感情は恋ではないことに気付いて本当にすきなのは沖田なのかもしれないと思って、でもまだ認めたくないというか自覚しきっていない神楽みたいな。ながっ
あれ?自分でもなんかわかんなくなってきた

2006,May 27





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