言えずの
アイライクユー
















悩んで悩んで悩んで。
やっぱりそんな事を言う柄じゃないなあ僕は,と溜息をひとつ小さくつく。 すき,というその2文字はどうも自分には難し過ぎるようだ。誰に対してか,と言われると素直に名前を出せる訳も無く, しいて言うならば出しゃばりで騒がしくて凶暴で, でも変なところで正義感の強い子だ,とでも言うだろう。

憎まれ口を叩き合う彼女との今のこの関係に不満がある訳では決してなくて,むしろこのままの方が居心地がいいのかもしれないと矛盾した思いもある。この気持ちを伝えたところで何がどう変わるかなんて幼い自分にはさっぱり分からないし。それでも,心に積み重なって来たこの気持ちを吐き出したくて,やっぱりもう一度悩んで。

1人でうーん,だの,どうしたもんか,だのとボソボソ言っている自分に不信感を抱いたのか,ひとつの影がこちらへと近寄ってきた。



「こそこそ何してるのよ,アンタ」

「あ,パーマ・・・何の用?」

「だからあんたがこそこそ何かしてるように見えたから見に来たの」

「ちょっと考え事してたんだよ,僕はパーマとは違って繊細だから悩むこともある訳ー」

「あんたホンット失礼ねー!!」

「まーた怒った,鬼ババアだ」



彼女が近くにいる今,アリスを使って彼女の心を読んでしまうこと, そして自分に対して彼女が良くない感情を持っているのであればこの気持ちに蓋をしてしまうこと,いとも容易いことだけれどそれはとても怖くて出来そうにもなかった。
きっと棗君や流架君のことを想ってるんだろうと思うと,解っていても出来ない。
蓋なんて出来っこないのに本心を読んでしまえば, それ以上もうどうしようも無くなってしまう気がして。 それにアリスを使って彼女のその心を読むのは,何よりも卑怯な気がした。



「ねえパーマ、僕がさっきなに考え事してたか教えてあげようか?」

「何よ」



心なしか少し不機嫌そうな彼女(きっと鬼ババアなんて言った所為に違いない)に,意を決して声を掛けた。でもパーマと呼ばれるのには慣れたのか、最近では特にその呼び名について咎められる事も無くなった。

―――心臓が痛い程鼓動を打っているのが自分でも分かった。

言わなきゃ,言わなきゃ,と何かに急かされているかのように焦る。



「あの・・・さ・・・僕・・・パーマのこと,」





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さあこのあとどうなったのでしょうか(えー)相変わらず短くてすみません。ほんとものっそい難しいですね心正田! ていうか心⇒正田?なんか心読み君へタレってますが愛ゆえです

2005,July 28
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