授業中、教室の窓から外を覗くと今日も雨。今朝はめずらしく晴れていたのに。 梅雨は気分までもドンヨリさせる。
だから…、嫌い。







雨々






帰り道、ひたすら降り続ける雨を前に、傘を差す気が失せた。鞄の中の折り畳み傘を睨み付けて、私は校舎を出た。 寮へと続く道をのんびりと雨に濡れながら歩く。





「美咲ーーー!!!」





背後から誰かに呼ばれたので、振り向いた。 そこには雨でずぶ濡れの翼がいた。





「美咲も傘を忘れたのか?」
「翼と一緒にするな!」
「じゃあ、何で差さねぇんだ?」
「き・ぶ・ん!!!」





前髪から滴り落ちる滴がうっとおしくて仕方がない。
呆れ顔の翼が、服の裾で拭ってくれたが、あまり意味は無かった。





いつもの自分を装っているつもりが、装いきれてない。 翼もそんな私に気付いたんだろう。 心配そうに私の顔を覗き込んだ。





「泣いてるのか?」
「!?」
翼の言葉で、自分が泣いている事に気付いた。
涙は雨に紛れて、私でさえ分からないほど。





「翼は私の事、何でも分かるんだな…」





無理矢理、唇の両端を上げて笑った。





「バーカ、当たり前だろ」





そう言って、優しく抱き締めてくれた。
雨で濡れて体温は奪われたはずなのに、翼の体は温かく感じる。





あぁ、そうやって君はいつも私の弱さを包み込んでくれる。






*************************
あわわ、刹那さまのサイトでキリ番を踏んだらこんな素敵小説が! あああありがとうございます!(どもりすぎ) 美咲先輩のことならなんでもわかる翼先輩素敵!(何だ)あれですねもう以心伝心!刹那さま本当にありがとうございました!



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送