腹が立つぐらいに燦々と輝いている太陽。その照り付くような光を吸い込んだアスファルトの熱が、陽炎をゆらゆら揺らす。おまけにさっきからはじりじりと、蝉の鳴き声がいくつも重なって聴こえている。 ・・・とまあそんなオプションも加わって、体感温度は摂氏四十度!今から万事屋総出で仕事に向かうっていうのに、このままじゃ依頼先へ着く前に倒れそうだ。暑い。もう、とにかく暑い。 「あー暑いアル暑いアル暑いアル!」 「うるさいぞ神楽ァ、大体てめーは傘差してるだろうがよォ、俺も入れろ」 「ちょ、やーめーろーや!この傘に銀ちゃんの入る余地はないネ!」 「いでででで、オイ神楽テメー銀さんに蹴り食らわすとはどういう了見だコノヤロー」 「あーもう二人共!こんな道端で騒がないでくださいよみっともない!」 「なーに良い子面してんだ新八ィ、眼鏡のくせによォ」 「なにが良い子面ですか天パのくせによォ」 「おいちょっと待てお前、天パなめてんだろ?言っとくけど俺の天パはは天然パーマじゃねえんだぞ、天から授けられた聖なるパーマネント略して天パだ」 「なんですかそれ!そんな話今初めてききましたよ」 「つまりこのヘアースタイルは神聖なものだからいかなる侮辱も許されないんだよ、わかるかい新八くん」 「わかりません」 「ねえ二人共ちょっと黙ってヨ、こんなクソ暑いのに隣でやかましいアル迷惑ネ」 「暑いってお前は傘差していちばん涼しそうじゃねーか、俺も入れろ」 (そして七行目にもどるエンドレスリピート!)
銀魂/万事屋
ねえ、わたしのこと本当にすき? そう言うと、彼はただでさえまるい目をさらにまるくした。あんまり目を見開いているものだから、その瞳が零れ落ちてしまいやしないかとわたしは心配になる。 へんなことをきいてごめんね、なんとなく、そう思っただけなんだけど。 そう付け加えたあとで、やっぱりこんなこと聞くんじゃなかったわ、とすこし悔いた。 もちろん、すきに決まってるじゃないですか? < 彼は、くしゃりと笑って言った。きゅう、と痛いほど胸が締め付けられた気がした。それはただ、苦しくて。 ―――好きに決まってるだなんて、嘘よ。だってあなた嘘をつくとき、いつもそうしてわらうの。 けっしてわたしの目を見ようとはしないの・銀灰色の瞳の奥を見透かされないように。 (ねえ、だけどわたしに嘘をついたときの笑顔が、わたしに見せてくれるいちばんの笑顔だって、しってた?)
D.Gray-man/アレンとリナリー
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